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ルマン24時間レースで優勝
    Audi R15 TDIが表彰台を独占

Audi、ルマン24時間レースで1-2-3フィニッシュ

 2010年6月13日、仏ル・マン市近郊のサルト・サーキット。歓喜の瞬間を待ち構える観客の前に姿を現したのは、誇らしげに隊列を組んだ3台のAudiでした。Audiスポーツ チームヨーストの3台のAudi R15 TDIは技術的なトラブルを一切起こさず、過去最速のスピードでルマン24時間レースを駆け抜けて1-2-3フィニッシュを達成しました。Audiのルマンでの優勝はこれで9度目。1-2-3フィニッシュを達成したのは2000年、2002年、2004年に続き4回目となります。

 優勝したティモ ベルンハルト(独)、ロメイン デュマ(仏)、マイク ロッケンフェラー(独)組のAudi R15 TDIは、24時間のレースで397ラップ、計5410kmを走破。これは、1971年にポルシェ917を駆るDr. ヘルムート マルコ、ギジュ バン レネップ組が打ち立てた最長距離記録を打ち破る快挙です。サルト・サーキット名物のユーノディエールストレートに安全確保のためのシケインが設置されたとき「今後ポルシェの最長距離記録が更新されることはないだろう」と言われ、実際に40年近くもの間、記録が破られることはありませんでした。しかし2010年、Audiはその先進技術によって、ついに新記録を樹立しました。

記録達成を支えた技術力

 新記録達成を支えたのは、Audiの高い技術力でした。ルマンでは、単に速いだけでは勝利をつかむことはできません。長いレースをトラブルなく走りきる信頼性。給油によるロスタイムを最小限に抑える燃焼効率。そして優れた運動性能と効率性を両立するエアロダイナミクスや軽量なボディ技術。あらゆる面で技術を磨き、総合的に性能を高めたことが今回の新記録につながりました。事実、24時間のレース中、Audi車がピットストップに費やした合計時間はわずか30分程度。1時間近くのストップが必要だったライバルチームと比べ、大きなアドバンテージを得ることができました。

 Audiモータースポーツの代表、Dr. ウォルフガング ウルリッヒは「今年は、V10 TDIエンジンのポテンシャルを最大限発揮させることはしませんでした。」とレースを振り返ります。予選順位が最高5位と、2010年のAudi R15 TDI(通称R15プラス)が傑出した速さを見せなかったのは、信頼性の確保を優先したため。しかし、そのことが非常に高い信頼性に貢献しました。R15プラス開発の目標のひとつは、昨年と比べて20%の燃費向上。そのためにあらゆる部分を徹底的に見直し、何ヶ月もテストを重ねて、ついにその目標を達成しました。

白熱したレース展開

 3位、2位を獲得したAudiチームの7号車、8号車にとって、2010年のレースは決して順調な旅ではありませんでした。2008年の優勝メンバー、リナルド カペロ、トム クリステンセン、アラン マクニッシュが操る7号車は、レース序盤はAudi勢最上位を走行。しかし土曜日の夜、周回遅れのGT2クラスのマシンに進路を阻まれ、回避するときにリヤセクションをトラックバリアに衝突する不運に見舞われます。しかしその後、3人は素晴らしいラップタイムを重ね続けてトップグループに返り咲き、表彰台の栄誉を勝ち取りました。
 マルセル フェスラー、アンドレ ロッテラー、ブノワ トレルイエの8号車にも、コーナーで止まりきれずにトラックバリアに衝突するというアクシデントが発生。しかしAudi R15 TDIはフロントカウルの交換だけでレースに復帰。その後もハイペースで走行を続け、見事2位を獲得しました。Audiの高い信頼性、耐久性が証明された瞬間でした。

レース技術を市販車にフィードバック

 Audiの市販車には、長年にわたるモータースポーツ活動を通じて培ってきた技術が数多く反映されています。直噴技術とターボ過給を組み合わせた高効率なエンジン。膨大な風洞実験によって導き出される空力特性に優れたデザイン。アルミや超高張力鋼板といった素材を巧みに組み合わせた軽量なボディ。長いレースを最後まで走りきる信頼性と耐久性。Audiのすべてのモデルで、レースで培った先進の技術を体感していただけます。

【ルマン24時間レース 決勝結果】

1位 ベルンハルト/デュマ/ロッケンフェラー(Audi R15 TDI)
2位 フェスラー/ロッテラー/トレルイエ(Audi R15 TDI) -1ラップ
3位 カベロ/クリステンセン/マクニッシュ(Audi R15 TDI) -3ラップ
4位 アヤリ/アンドレ/メイリック(ORECA-Aim) -28ラップ
5位 レベンティス/ワッツ/ケイン(Acura/Honda) -30ラップ

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    Dr. ウォルフガング ウルリッヒ(Audi モータースポーツ代表)のコメント

    今回のルマン優勝は、Audiの歴史の中で最も獲得が困難だったものと確信しています。我々は、最強のライバルと対峙していました。レースウィークが始まった時点で完璧なスタートを切れていたわけではありませんでしたが、我々は素早く良い状態に達することができました。チーム全体が完璧な働きをしてくれました。夢のような結果をAudiに与えてくれたすべての人々に感謝します。

テクニカルデータ

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    Audi R15 TDI

    ボディ:カーボンファイバーとハニカムのアルミニウムを組み合わせた複合素材によるモノコック構造

    エンジン:バンク角90°の5.5リッターV10ディーゼルターボ。ドライサンプシステムを採用し、最高出力600馬力以上、最大トルク1050Nm以上。

    全長:4,650mm
    全幅:2,000mm
    全高:1,030mm
    重量:900kg
    燃料タンク容量:81ℓ(ディーゼル)

ドライバープロフィール

9号車(優勝)

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    ティモ ベルンハルト

    1981年2月24日、ドイツ・ハンブルグ生まれ。1991年からモータースポーツに関わる。2002年、GTクラスでルマ24時間レースンに初参戦し1位を獲得。以降、アメリカン・ルマンシリーズやニュルブルクリンク24時間レースなどで活躍。

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    ロメイン デュマ

    1977年12月14日、フランス・アレス生まれ。1992年にカートを始める。フランスフォーミュラ3選手権や全日本GT選手権などを経て、2001年にはルマン24時間レースのGTクラスで優勝。アメリカン・ルマンシリーズやニュルブルクリンク、セブリング、デイトナなど各地の耐久レースで活躍中。

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    マイク ロッケンフェラー

    1983年10月31日、ドイツ・ネウウィエド生まれ。1995年にモータースポーツを始め、2007年よりドイツツーリングカー選手権(DTM)のAudiチームのドライバーを務める。ルマンシリーズやセブリング12時間レースなどにも参戦している。

8号車(2位)

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    マルセル フェスラー

    1976年5月27日、スイス・アインジーデルン生まれ。フランス、ドイツのフォーミュラ3選手権を経て、2000年よりドイツツーリングカー選手権に参戦。ヨーロピアン・ルマンシリーズやアメリカンルマンシリーズでもハンドルを握る。

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    アンドレ ロッテラー

    1981年11月19日、ドイツ・デュイスベルク生まれ。東京在住。1989年、カートでモータースポーツの世界に入る。2003年、フォーミュラ・ニッポンに参戦し、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。以降、フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTを主戦場に、切れ味鋭いドライビングでファンを沸かせている。

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    ブノワ トレルイエ

    1976年12月7日、フランス・アランソン生まれ。1983年、モトクロスでモータースポーツの世界に足を踏み入れる。その後カートに転向し、フランスのフォーミュラ3などでドライバーを務める。2000年には日本のフォーミュラ3に参戦。以降フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTで活躍中。

7号車(3位)

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    リナルド カペロ

    1964年6月17日、イタリア・アスティ生まれ。イタリアのフォーミュラ3選手権やツーリングカー選手権で腕を磨く。1984年にAudiドライバーとなり、Audi 80やAudi A4などでツーリングカー選手権を中心に活躍。2000年、Audi R8Rのドライバーとしてルマン24時間レースで4位を獲得して以降、Audiのルマンドライバーとして表彰台の常連となっている。

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    トム クリステンセン

    1967年7月7日、デンマーク・ホーブロー生まれ。モータースポーツを始めたのは1977年。日本のフォーミュラ3選手権や全日本ツーリングカー選手権などにも参戦。2000年にAudiドライバーとなりルマン24時間レースで優勝。以降、ルマンやドイツツーリングカー選手権(DTM)などで活躍、特にルマンには13回参戦し、8回の優勝に輝いている。

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    アラン マクニッシュ

    1969年12月29日、イギリス・ダンフリース生まれ。イギリスのフォーミュラ3などで活躍後、F1のテストドライバーに。F1ドライバーを経て、2000年にAudiチームへ。その年アメリカン・ルマンシリーズで優勝するなど、活躍。以降ドイツツーリングカー選手権(DTM)やアメリカンルマンなどを中心に参戦している。ルマン24時間レースは10回出場し、2勝。