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ルマン24時間レースで優勝
    超軽量化技術をはじめとするイノベーションによる勝利

Audi、ルマン24時間レースで2年連続、通算10度目の優勝

史上もっともスリリングでドラマチックな展開となったルマン24時間耐久レースで、Audiの「ウルトラ」軽量化技術が勝利を収めました。マルセル ファスラー(スイス)、アンドレ ロッテラー(ドイツ)、ブノワ トレルイエ(フランス)の3人が革新的なマシン「Audi R18 TDI」を駆り、Audiに記念すべき10度目のルマン優勝をもたらしました。

レーススタート後3分の1が経過した時点で、Audiチームは出場した3台のうち2台までが不運なアクシデントによりリタイヤ。すべての期待はポールポジションを獲得した2号車に注がれました。レース後半、ファスラー、ロッテラー、トレルイエの3人は、Audiの優勝を阻もうとする3台のプジョーワークスマシンとのバトルに全神経を集中しました。

レース2日目となる日曜日の朝の時点で、トップ4台のタイムはわずか数秒差で均衡していました。そんな中、229周目にアンドレ ロッテラーが予選ポールポジションのタイムを上回る3分25秒289という驚異的なファステストラップを記録。Audi R18 TDIが新しいレギュレーションで最速であることを証明しました。

証明された高い信頼性

Audi R18 TDIの信頼性は素晴らしいものでした。2号車はレースを通じ、予定外のピットインを迫られることは一度もありませんでした。唯一、65リッターの燃料のすべてを使い切ることができなくなるトラブルに見舞われたものの、レースの最終段階での給油ストップに備えてあらかじめ充分なリードを確保することで、見事トップで24時間を走りきりました。

ロッテラーが最後のスティントに出た時、2番手のプジョーに対してのアドバンテージはわずかに7秒。しかしロッテラーは首位の座を譲ることなく走行。チームメイトのファスラー、トレルイエ、そしてAudiチーム全員から祝福を受けながらトップでゴールラインを通過したとき、2番手との差は13秒420にまで広がっていました。この瞬間、昨年のレースで2位に入賞した3人のドライバーは初のルマン優勝を、そしてAudiは10度目の優勝を手にしたのです。

レースの模様をピットで観戦したAUDI AG取締役会会長のルパート シュタートラーは「Audiの超軽量化技術は偉大な功績を成し遂げた。我々は今年も、信頼性に富むだけでなくもっとも速いマシンを造り上げた」とこの偉業を讃えました。技術開発担当取締役のミハエル ディックは「優勝を遂げたクルーだけでなく、チーム全員が、尊敬に値する最上級の仕事を成し遂げた。今回の通算10回目の優勝獲得は非常にタフな戦いだった。それだけに、今回の勝利は大変価値あるものだ。一方、不本意ながら、我々のマシンは非常に安全であるということも証明してしまった」とレースを振り返りました。

高剛性ボディに守られたドライバー

アラン マクニッシュとマイク ロッケンフェラーは、レース前半3分の1までの間に非常に激しいクラッシュに見舞われましたが、ともに怪我なく帰還。それまでトップを走っていたゼッケン3号車のAudi R18 TDIを運転していたマクニッシュは、レース開始から1時間が経過する直前に、ラ シャペールでGTクラスのマシンが左リヤホイールに衝突。コースサイドに激しく衝突しました。しかし、Audi R18 TDIのワンピースカーボンモノコックボディはその凄まじい衝撃に持ちこたえ、マクニッシュは大破したマシンから怪我なく脱出し、搬送された病院でメディカルチェックを受けた後、サーキットに戻って来ることができました。

マイク ロッケンフェラーもまた、強力な安全対策によって守られました。ロッケンフェラーは約300km/hのスピードで2番手を走行中、GTクラスのマシンが左リヤホイールに衝突。マシンは左に大きく降られ、インディアナポリス入口のガードレールにおよそ270km/hのスピードで衝突。この時もまた、カーボンモノコックボディは見事に衝撃に耐えぬき、ドライバーを守りました。

超軽量化技術の勝利

優勝が決まった瞬間、Audiモータースポーツの責任者ウォルフガング ウルリッヒ博士は、「Audiの超軽量化技術は、今回のレースを経て実証された。新しい方針に向かおうとする時には、必ずリスクがつきまとうものだが、そのリスクは完全に解消された。今回のルマンで2つの大きなクラッシュを経験し、これまででもっとも大きな精神的なショックを受けたレースとなった。残り16時間をたった1台のマシンで激しく戦い続けられたのは、信じがたいことだ。」とコメントしました。

【ルマン24時間レース 決勝結果】

1位 ファスラー/ロッテラー/トレルイエ(Audi R18 TDI)
2位 ラミー/ブルデー/パジェノー (Peugeot 908)
3位 モンタニー/サラザン/ミナシアン(Peugeot 908)
4位 ジェネ/ヴルツ/デビッドソン(Peugeot 908)
5位 ラピエール/デュバル/パニス(Peugeot 908)

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    Dr. ウォルフガング ウルリッヒ(Audi モータースポーツ代表)のコメント

    2011年のレースは、我々にとって過去もっとも過酷なレースだったが、最後に優勝と喜びを得られた。マージンがほんの僅かしかない非常に困難な状況の中にあって、最強ライバルであるプジョーを負かすことが出来た。8時間経過して3台のうち2台を失っていた時点で、残り1台で勝負することがいかに困難かを自覚していた。チーム全員で残った1台に出来うる限りのことを行った。もちろん、ドライバー達もまた過酷な役割を担い、彼らはルマンでの経験が少ないにも関わらず、見事な仕事を成し遂げた。アラン(マクニッシュ)とマイク(ロッケンフェラー)が、深刻な事故に見舞われたにも関わらず、怪我なく生還することができ、本当に良かった。

マシンの紹介

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    Audi R18 TDI

    2011年のルマン24時間レースでは、クローズドタイプのコックピットを採用し、3.7ℓV6のディーゼルターボエンジンを搭載したニューマシンAudi R18 TDIがデビューしました。

ドライバープロフィール、優勝コメント

2号車(優勝)

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    マルセル フェスラー

    1976年5月27日、スイス・アインジーデルン生まれ。フランス、ドイツのフォーミュラ3選手権を経て、2000年よりドイツツーリングカー選手権に参戦。ヨーロピアン・ルマンシリーズやアメリカンルマンシリーズでもハンドルを握る。

    「まったく、途方もない1日だった。特に最後の6時間は過酷だった。まるで時が止まっているかのように感じていた。僕は時計を見ながら、コレはもう何時間も前から動かなくなっているんだと独り言を言っていた。僕は場内放送が一切聞こえない場所を探してみた。だけど、そんな事は不可能だった。夢は少しずつ、少しずつ近づいていった。でも、アンドレ(ロッテラー)が走り始めてすぐにスローパンクチャーが起こるなど、状況は非常に厳しかった。だけれども、夢が現実のものになりそうになった時、震えが止まらなくなった。そして本当に夢は現実のものとなった。最高の気分だ。僕たちドライバーは、このために非常に厳しい役割を果たした。ルマンは世界一のレースだ。スイス人初の優勝者になれたことも嬉しく思っている。」

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    アンドレ ロッテラー

    1981年11月19日、ドイツ・デュイスベルク生まれ。東京在住。1989年、カートでモータースポーツの世界に入る。2003年、フォーミュラ・ニッポンに参戦し、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。以降、フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTを主戦場に、切れ味鋭いドライビングでファンを沸かせている。

    「強烈なレースだった。最初から最後まで、激しくプッシュし続けていた。息つく暇さえなかった。僕は可能な限りの努力をし続けた。そうする以外の道を見つけることは出来なかった。でも最後には役目を果たすことができた。みんなと団結して結果を出せたことを、本当に嬉しく思っている。メカニックやその他のチームメ全員がマシンを準備するためにハードな仕事を成し遂げてくれた。優勝出来たことで、彼らの多大な貢献に報いることが出来たと感じている。2つのクラッシュが起きた昨日は大変な一日だった。アラン(マクニッシュ)とロッキー(ロッケンフェラー)が無事で本当に良かった。」

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    ブノワ トレルイエ

    1976年12月7日、フランス・アランソン生まれ。1983年、モトクロスでモータースポーツの世界に足を踏み入れる。その後カートに転向し、フランスのフォーミュラ3などでドライバーを務める。2000年には日本のフォーミュラ3に参戦。以降フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTで活躍中。

    「とてつもないレースを制して勝つことが出来たのは、素晴らしいことだと感じている。これはチーム全体の勝利だ。我々はただ運転したにすぎない。準備こそがもっとも大きな仕事だったのだ。これほどまでに信頼性が高く速いクルマが用意されていなければ、24時間レースで優勝することなど出来ない。そして、大きな助けを差し伸べてくれたマルコ(ボナノミ、R18の開発兼リザーブドライバー)にも感謝したい。今日、チームが一丸となった勝利を得ることが出来た。これは例えればサッカーのようなもので、もし誰かがミスをしたら、勝利は掴めない。それと、僕が卒業したルマンで開催されたレーススクールの同期生マルセル(ファスラー)とセバスチャン(ボーデ)と共に、ここで再び表彰台に立てたことも大変嬉しく感じている。」