はじまり

栄光と波乱に富んだ過去を持つアウディ。その車とエンジンの製造の歴史は19世紀まで遡ります。すべてはドイツの偉大な自動車エンジニア、アウグスト・ホルヒによってはじまりました。ホルヒは、ザクセン州ミットヴェイダの工科大学を卒業した後エンジンの製造に取り組み、後にマインハイムのカール ベンツ社で自動車生産部門の責任者を務めました。そして1899年に独立し、ケルンにて自動車会社の「ホルヒ&チエ」を創立。1902年、ホルヒは会社をザクセン州のライヒェンバッハに移し、その後1904年にはツヴィッカウに移転して株式会社へと再編されました。

ホルヒ社からアウディへ

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取締役会および監査役会との意見の対立を理由にアウグスト・ホルヒは1909年に会社を離れ、ツヴィッカウに2社目の自動車会社を創立しました。彼の苗字である「ホルヒ」いう名前は既に最初の会社で使われ、商標権により保護されていたため、新会社にはそのラテン語訳が使われることになりました。こうしてドイツ語で「聞く」を表す「Horch(ホルヒ)」は「Audi(アウディ)」となったのです。ラテン語訳を用いる案はホルヒの当時のビジネスパートナーの息子が考えたアイデアでした。ラテン語に精通した彼は、ホルヒたちが新しい社名を検討しているという話を聞きつけ、これを提案したのです。その後の手紙の中で、ホルヒは「Kind regards – Audi-Horch(敬具、アウディ‐ホルヒ)」という署名も残しています。そして1914年12月、アウディ自動車工業GmbHも株式会社になりました。