伝説の物語 > Audi Sport > Stories of Progress > アウディジャパン

伝説の物語

伝説として語り継がれているダカールラリーの物語。
2023年のレースでは、ラリー全体にとってもチームにとってもアウディが象徴的な存在となるでしょう。
45年に及ぶモータースポーツの歴史と物語を振り返ります。

Copy: Patricia Jell - Photo: Julian Rausche, AUDI AG

※この車両はダカールラリー専用の車で量産車ではありません。

伝説の物語伝説の物語

クロスカントリーレースは人々を魅了します。ダカールラリーには多くの物語や伝説があり、モータースポーツにそれほど興味がなくても、「ダカール」は多くの人に馴染み深い名前です。アウディは2021年からこの冒険により積極的に参加しはじめました。長い歴史を持つラリーの最新章のタイトルは「砂漠における電動化」。物語は40年前のある出来事をきっかけにはじまったのです。

1977年にフランスのドライバー、ティエリー・サビーヌはバイクでアビジャン-ニースラリーに参加中、リビアの国境で遭難してしまいました。彼は太陽が照り付ける砂漠を3日間さまよった末、遂に救助されました。サビーヌはフランスに戻れましたがアフリカでの九死に一生を得た体験は忘れられないものとなりました。そして大砂漠でラリーを開催するという夢を抱くようになったのです。それは参加者にとって挑戦、参加しないレーサーにとっては夢のラリーでした。

1978年12月26日、新たな歴史が始まりました。182台の車がパリを出発してアルジェリア、ニジェール、マリ、オートボルタ、セネガルを通りダカールを目指す大冒険に挑んだのです。1979年1月14日にゴールに到達できた車はわずか74台でした。こうしてダカールの伝説が生まれたのです。

参加者にとって挑戦、参加しないレーサーにとっては夢。それがダカールラリーのモットーだった。


現在「ダカール」の名称で親しまれているこのラリーは、今でも経験者に特別なステータスを与えます。「とにかく、世界で最も厳しいレースのひとつです。」そう語るフランスのドライバー、ステファン・ペテランセルはダカールラリーで誰よりも多くの優勝経験を持っています。その数は実に14回。バイクで6勝、そして車で8勝しています。ルート、地形、天候、時間、そのどれもがドライバーとマシンに試練を与えるとペテランセルは語ります。14日間の間の走行距離はルートによって1万~1万2千キロメートル。「このラリーで優勝するのは非常に困難です。14種類のレースが1つになったようなもので、1回のミスですべてが終わってしまうのです。」


伝説の物語伝説の物語

2023年1月に向けてまったく新しいルートが計画されています。それはより長く、より厳しいルートで、ドライバーたちは紅海の海岸からダンマームのアラビア湾の砂浜を目指します。この数十年、毎年ルートが変わることは恒例となっています。1979年にラリーがはじまってから2007年まではヨーロッパを出発してアフリカ大陸を目指していました。そして2008年にはリスボンを出発してスペイン、モロッコ、西サハラ、マウリタニアを経由しセネガルを目指すルートが計画されていました。しかし、開催の前日になってテロ警告により歴史上初めて(そしてこれまでで唯一)、ラリーが中止となってしまったのです。その後、安全を考慮して2009年から2019年はルートを南米に移し、アルゼンチン、ボリビア、チリ、ペルーが舞台となりました。そして2020年、サウジアラビアへとルートが移ったのです。


 

アウディ × ダカールラリー

2022年の1月にアウディが初めてダカールラリーに参加した際、モータースポーツでの一番の課題と言われていた挑戦に挑みました。目標はただ一つ。それはモータースポーツの電動化を進歩させるということでした。特別に開発されたAudi RS Q e-tronには従来と違うドライブコンセプト¹が採用され、電動ドライブトレインと高圧バッテリー、そして高効率のエネルギーコンバーターが組み合わされていました。そうして挑んだ1回目のラリーで学んだ経験を活かし、2世代目のAudi RS Q e-tronが開発されました。その車でアウディは2023年1月に開催される45回目のダカールラリーに参戦します。

※Audi RS Q e-tronには電動ドライブトレインとTFSIエンジンとジェネレーターが搭載されたエネルギーコンバーターシステムが組み合わされています。
 

カルロス・サインツは経験豊富です。彼は2006年にヨーロッパからアフリカへ向かうダカールラリーに初めて参加しました。レースはバルセロナを出発し、マラガを通ってアフリカを目指しました。スペイン出身のサインツにとって特別な思い出です。2010年、彼は南米で初優勝を手にします。そして2018年と2020年にはサウジアラビアでの勝利を果たしました。2022年にはAudi RS Q e-tronを運転し、アウディ初のステージ優勝を飾りました。

「あの瞬間は一生忘れません。ラリーは未知の世界への冒険です。非常に厳しいレースで、完走するだけでも快挙です。」ダカールラリーには敬意を払うべきだとサインツは語ります。参加者は全員、極限まで追い込まれるのです。

ラリーの厳しさは容赦なく、1つのミスによって失われるものは勝利だけではありません。何年もの間に幾度となく事故が起き、参加者が命を落としてきました。1982年には当時の英国首相マーガレット・サッチャーの息子のマーク・サッチャーが行方不明となります。彼と女性ナビゲーターは何日もの間、消息が分からないままでした。最終的には3日間の捜索の末、南アルジェリアの村で発見されたのです。

伝説の物語

カルロス・サインツにとって、マラガからモロッコへ渡った2006年のダカールレースは特別な思い出だ。2023年には彼にとって18回目となるダカールで再びアウディのハンドルを切る。

 

ダカールラリーには多くの逸話が語られています。勝利と悲劇、冒険談に、奇妙な逸話、スターティンググリッドで交錯するベテランドライバーと期待の新星、終わることのない人間と技術の限界への挑戦。 1983年に俳優のクロード・ブラッスールをアマチュアのナビゲーターとして迎え、見事優勝を収めたジャッキー・イクスや、モナコのアルベール王子など、伝説のレーサーも多く誕生しています。1988年には首位に立っていたアリ・バタネンの車が盗難に遭い身代金を要求されるなど、トラブルも起こりました。そしてこの世界最大級のラリーが真のモータースポーツアドベンチャーと呼ばれる理由は、アマチュアとプロが同等の立場で挑戦することができるからです。1つのステージが実に800キロメートル以上の距離を誇り、挑戦者は身体的にも精神的にも限界まで追い込まれます。車は極限のコンディションまで達し、半数以上が完走できません。だからこそ、2022年のダカールラリーでアウディのRS Q e-tronが電動ドライブトレインで成し遂げた成果は快挙なのです。アウディの3チームが4回のステージ優勝を果たし、デイリーランキングで合計14回表彰台に上がることができました。

※Audi RS Q e-tronには電動ドライブトレインとTFSIエンジンとジェネレーターが搭載されたエネルギーコンバーターシステムが組み合わされています。

ラリーは未知の世界への冒険です。非常に厳しいレースで、完走するだけでも快挙です。

カルロス・サインツ

ダカールラリーに臨むため、アウディのドライブコンセプトはおそらく世界で最も厳しいテストを実施しています。

「このプロジェクトは私にとって最も難しく、また最もエキサイティングなプロジェクトです。」マティアス・エクストロームは語ります。スウェーデン出身の彼は世界でも有数の才能あふれたレースドライバーとして知られています。アウディで2回DTMタイトルを勝ち取り、1度は世界ラリークロス選手権で優勝を果たしています。彼のような経験豊富なプロドライバーにとっても、砂漠の美しい景色の中を極限に達したマシンで何日もかけて運転することは試練だと言います。エクストロームが初めてダカールに参加したのは2021年。そして2022年には同郷のエミール・ベリーグヴィストと共にアウディで参戦しました。「何よりも1日目が印象的です。砂だらけの道や3 - 40メートルのジャンプ。一生忘れることはない思い出になりました。」

そして来年迎えるのが45回目の伝説のラリー。「新しいAudi RS Q e-tronを運転するのが楽しみで仕方ありません。これまで以上に限界に挑みたいです。」エクストロームは語ります。目標は総合で表彰台に上がること。そしてダカールラリーとアウディのモータースポーツに更なる伝説の爪痕を残すことです。

伝説の物語

マティアス・エクストロームは1980年代にアウディでラリーに参戦した同じくスウェーデン出身のスティグ・ブロンクビストに憧れてレースの世界に足を踏み入れたという。

 
ダカールラリー参戦に向けてドライバーが徹底した準備

ダカールラリー参戦に向けてドライバーが徹底した準備

6人のドライバーとナビゲーターは、デビュー戦となった1年前よりもリラックスして準備を整えており、期待に胸を膨らませながら、砂漠で開催される伝統的なラリーレイドへの参戦を、既に楽しみにしています。

“《極限》が私たちにもたらすもの”

“《極限》が私たちにもたらすもの”

先日開催されたRS Q e-tronの発表会で、アウディスポーツの代表であるユリウス・ゼーバッハが語った、本ラリー大会の伝説と、《極限》についての魅力、そして新しいことに挑戦する勇気とは。