Road to Dakar 2024：砂漠から得た教訓

2024年１月、Audiは３回目のダカールラリー参戦を果たします。ドライバーのマティアスエクストロームとAudi Sport Teamはサウジアラビアの砂漠が舞台となる世界で最も過酷な耐久ラリーに向けて集中的な準備を始めます。

Audi Sportと長い付き合いのマティアスエクストロームがコドライバーのエミールベリークヴィストと共にダカールラリーに挑みます。2024年１月に開催されるダカールラリーに先駆けて、彼らは数週間にわたるハードなテストを行います。

けたたましい音を響かせてAudi RS Q e-tronが石だらけの砂利道で止まり、舞い上がった砂埃がゆっくりと静まりました。ドアが開くと、疲れ切った中にも明らかに満足した様子を見せるマティアスエクストロームがダカールラリーを戦う彼の車から降りてきます。そしてこう言います。「不思議ですね。１月から活動を休止して、さまざまな車を運転しました。しかしAudi RS Q e-tronだと、すぐにリラックスできます。まるで１年中乗っていたみたいです」
昨年のダカールラリーはエクストロームとAudi Teamにとって厳しいものでした。「大きな期待を抱いて挑みましたが、望むような結果を得られませんでした」と彼は認めます。Audi RS Q e-tronの電気駆動コンセプトは完璧に機能しましたが、タイヤの不具合とアクシデントによるリタイアでアウディのドライバーチームは大きく後退し、総合優勝が遠のきました。
この車両はダカールラリー用の車両で市販モデルとして販売はしておりません。Audi RS Q e-tronは電動ドライブトレインにTFSIエンジンとジェネレーターを基にしたエネルギー回生システムを組み合わせています。

“「運だけではダカールで勝てないどころか完走することさえできません」マティアスエクストローム”

Mattias Ekström

Tyres and vehicles at the Audi base camp during the test phase in Saudi Arabia.

Team Audi Sport はサウジアラビアで摂氏42度の気温と繰り返し吹き付ける強風を経験しました。Audi Sportは走行中のタイヤの不具合を再現し、昨年１月に後れを取る原因となった状況を分析しました。

2024年１月のラリーに向けて、エクストローム、ペテランセル、サインツの３人のドライバーが再びグリッドに戻ります。３人には数カ月に及ぶテストと学習が待っています。「運だけでは勝てないどころか完走することさえできません。技術と経験、取り組む姿勢があって勝利するのです。適切な心構えが必要です」と語るAudi motorsportで長年の経歴を持つエクストロームには分かっています。
マティアスエクストロームは1999年から2017年までAudiのファクトリードライバーを務めました。どんな挑戦にも臨める才能豊かなドライバーで、世界ラリークロス選手権で王者となり、DTM（ドイツツーリングカー選手権）では２冠を達成、レースオブチャンピオンズでもタイトルを獲得しています。2021年、エクストロームはダカールラリーを戦うAudi Sportのドライバーチームのトリオに加わりました。「ダカールプロジェクトの一員であることは、依然として、私のキャリア最大のチャレンジです。誰もがあそこで勝ちたいと思っています。しかし、勝つために必要となる膨大な作業を知ると、多くの人が挑戦する前に諦めるに違いありません」
チームの全ペアはトップを走る潜在能力があります。それだけに、今年１月にAudiを後退させたタイヤの不具合やその他の問題は余計にもどかしさがありました。「予想外の場所でパンクした原因を突きとめる必要があります。ドライビングの方法や車のセットアップの何を変えなければならないか、そして何より重要なのは、より良く対処できるタイヤがあるかどうかです」。原因の真相と解決策を見つけるため、Audi Sport Teamは数日間サウジアラビアで過ごしました。ダカールラリーの公式タイヤサプライヤーであるBF Goodrichの２種類のタイヤを使用してパフォーマンスを比較し、対策を練るために昨年１月のダメージの原因となった状況を再現しようと試みます。また、改良されたショックアブソーバーも課題です。それというのもシャシーは荒れた路面でも効率的で安定した挙動を示す必要があるからです。負荷と加速を計測するシャシーのセンサーがチームの仕事をサポートします。

“「私たちの最良の日々を向上させるのではありません。鎖の中で最大の弱点を把握しようと努めています」マティアスエクストローム”

Mattias Ekström

Audi RS Q e-tronは問題なくテストを完了しました。2,568キロを超える距離を確実に走破したことは革新的なコンセプトの成熟を裏付けるだけではありません。技術的洞察に加えて、意思決定とドライビングスタイルの観点からエンジニアとドライバーもまたサウジアラビアでの充実したテストの恩恵を受けます。
サウジアラビアでのテストから戻ると、記録された全データの総合分析が予定されています。ダカールラリーではどんな不注意も許されないとエクストロームは確信します。「いつも学ぶべきことがあります。モータースポーツでの成功には常に異なる要素があります。その大部分が技術、経験、そして知識です」。このようにAudiは2024年ダカールラリーに向けた開発と組織を次の段階に進める準備を続けています。
この車両はダカールラリー用の車両で市販モデルとして販売はしておりません。Audi RS Q e-tronは電動ドライブトレインとTFSIエンジンとジェネレーターを基にしたエネルギー回生システムを組み合わせています。

マティアスエクストロームは1999年から2017年までAudiのファクトリードライバーを務めました。2021年、エクストロームはダカールを戦うAudi Sportのドライバーチームのトリオに加わりました。

The Audi RS Q e-tron racing in the desert.

Audi RS Q e-tronは問題なくテストを完了しました。この車両はダカールラリー用の車両で市販モデルとして販売はしておりません。Audi RS Q e-tronは電動ドライブトレインにTFSIエンジンとジェネレーターを基にしたエネルギー回生システムを組み合わせています。プロドライバーがクローズドコースを走行しています。真似しないでください。

“The First Endurance Test ”

Dakar Rally 2024に参戦するAudiのファクトリードライバーマティアス・エクストロームとコドライバーエミール・ベルクヴィスト。
2人はオーストリア、サウジアラビア、スペイン、イングランドを舞台に、新たな戦いへの準備を進めています。
スペインで行われた「バハ・アラゴン・ラリー」の2日間を振り返り、このように語ります。
「過去10年より、この2日間の方が多くを学べたと思います。」
「重要なのは、学んだことをダカールの舞台で活かすこと。」
3度目のDakar Rallyに向け、改良されたAudi RS Q e-tronとマティアスたちTeam Audi Sport。世界中を走り、得た知見・経験を携えて、栄光への旅が始まります。